新甲子温泉 甲子高原フジヤホテル(しんかしおんせん かしこうげん ふじやほてる)(福島県)

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  • 【都市という錬金術】
    週に1、2度でも通勤電車に乗るのは苦痛です。ピーク時間をだいぶ過ぎて渋谷に着いた昨日も、ドアが閉まらないほどのすし詰め状態です。何十年も満員電車に乗ってきた自分は洗脳されていたとしか思えません。体力と気力を奪い絶望的な気持ちにさせる電車で通勤させるなど狂気の沙汰だと思いますが、今後も無くなることはないのでしょう。サテライトオフィスや在宅勤務はだいぶ以前より試されていますが、未だに定着しません。アメリカなどの事例に習い1966年に鎌倉の梶原山の小高い丘に本社屋を作った野村総合研究所や、神奈川県足柄上郡大井町の丘陵に1967年竣工した大井第一生命館ビルのような先端事例もありましたが、結局どちらも都心に戻りました。不要なものを買い、無駄に消費させる装置として都市が金を生み出す限り、都市神話は続くはずです。無機質とか非人間的などと非難されようが、新しさや洗練と言う魔力で感覚を麻痺させ、消費者の欲望を増殖させる錬金術に加わらない選択肢など検討する価値すらないのだと思います。

  • 【製造業化するヘルスケア市場】
    健康関連の検索が多いのか、体重が減る、血圧が下がる、糖質制限など高価なサプリメントの広告がパソコンに表示されます。㈱インテージの調査によると健康食品・サプリメントの市場規模(2017年度)は1兆5,624億円あり、生鮮食品を含むヘルスケアフーズの市場は2兆6,856億円、ドラッグストア は5兆1,154億円あり、飲食業界の4兆8,692億円を超えます。普段から健康に関するヘルスベネフィットを意識して、飲食をしている人は64%に上りますが、サプリメントの類には気休め以上の効果はないか、むしろ有害だと思います。自分もビタミンCとDを摂りますが、摂取量を増やせば有害です。本質的な生活習慣を改善せずにサプリメントを免罪符と誤解することは問題です。高価なサプリメントを飲んでも健康な身体でなければそれらは吸収されずに排泄されます。業界が薬を売る製造業的発想から抜け出せないのは、生活改善や健康指導ではお金にならず、不健康が蔓延することが利益を生むからです。

  • 【信心深くない日本人? 】
    健康本をよく読みますが多くは矛盾した主張をします。ある程度運動をした方が良いとか少食の方がよいといった一定のコンセンサスはあるにしても、一日三度の食事、7時間寝るのが最も長寿といった主張には異論もあります。結局のところその人なりの健康観が生活スタイルとして全体調和しているかが重要だと思います。人類の身体はこの数十万年の間、大きく変化していないと信じていて、日本では数千年の歴史しかない稲作以降の食生活は正しくない可能性が浮かび上がります。電気のある生活も、車のある生活も、つまり現代人が享受している大半の利便性や娯楽も人体本来のデフォルトとは異なります。トレイルランニングにひかれるのは、人類史の大半を占める狩猟採集時代の運動に近いからです。何を信じるかはその人次第ですが、信ずるものがあれば健康を人任せにすることなく主体化でき、矛盾する情報に折り合いをつけることができると思います。

  • 【狂乱が消した優雅さ】
    昨日は神奈川県葉山町にある登録有形文化財の加地邸を見せていただきました。フランク・ロイド・ライトに学んだ遠藤新の1928年(昭和3年)の代表作で、建築に詳しくなくてもライト独特の世界感に浸れます。富士屋、金谷、万平、奈良といったレジェンドを別格にして、東京ステーション、ニューグランド、蒲郡、川奈、雲仙観光といった代表的クラッシックホテルと同時代の建物は、ミシュランレストランの小笠原伯爵邸と同様に場所性や建築様式を超えて往年の空気を今に伝えます。昭和とともに失った最大の損失は、この時代固有の折衷様式が持つ優雅さだと思います。若い時の自分にとって憧れの対象だったホテルは、現存する上高地帝国や赤倉観光、かつての富士ビューや白馬東急でした。暖炉のある加地邸の客間に佇むと、どこか哀愁に浸りたい気分になります。上へ上へと日本人が未来を信じて高みを目指した昭和初期の優雅さは、その欠乏が満たされるとやがて損得感情の狂乱のなかで姿を消したのだと思います。

  • 【歳を理由にしたとき老化が始まる】
    86歳でトライアスロンに出ている人のテレビ番組を昨日見ました。レジェンドとして大会出場者の間では知られる人ですが、妻を亡くした70歳の頃からトライアスロンを始めたと言います。80歳を超えるスポーツ選手は昔からいましたが、走り方にどこか違和感があったりしたものです。昨日のテレビでは練習風景やレースの様子を撮影していますが、鍛えられた肉体は美しいフォームで力強い走りを見せます。現役登山家を続ける三浦雄一郎氏も同じ86歳で、多くはないにしても50歳台のまま80歳台を迎える人は珍しくないと思います。義理の父も同い年ですが身の回りのことを完璧に一人でして、今でも友人と海外に行き、50歳台だった30年前とそれほど印象が変わりません。2006年に発表された長期調査によれば全米の老年層における慢性障害の発生率は減少し、その減少率はこの20年の間に早まっています。皮肉なことに敬老精神が仇となり、歳を重ねるに従い多くの人は身体を鍛える機会を放棄してしまいます。歳を理由に何かをあきらめたときから老化は始まるのだと思います。

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