新甲子温泉 甲子高原フジヤホテル(しんかしおんせん かしこうげん ふじやほてる)(福島県)

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  • 【失われた30年の原点】
    この一週間娘とロンドンの大学を回り、博物館や美術館を自由に楽しむ子供の姿を見ながら、日本の失われた30年の原点がここにあると感じました。日本の大学とは違い無機質な教室はなく、居心地がよく温かみを感じます。乱暴な議論ですが、日本の閉鎖的で強圧的な学びの環境と、その先にある偏差値選抜型リーダーによるトップダウンマネジメントが明治維新と戦後復興を成功させ、その過剰適応の反動が今の閉塞感だと思います。柔軟で多様な思考を排除し、常に比較にさらされる画一的風土が教育をゆがめ、働き甲斐と幸福感を奪い、思考を放棄して安易に生きる日本人を増やしました。多様性を認めず議論を嫌う全体主義的風土は動力革命の時代にはうまく適応しましたが、混沌とする頭脳革命の時代には不向きです。必要なのは自律と自立を育む教育であり、権力者が隠蔽する不都合な現実にも目を向け、多様な生き方に可能性を感じ、自ら切り拓く力だと思います。

  • 【欧米尺度の幸せ】
    時差ぼけが治らないまま一週間滞在したロンドンから昨日帰国しました。欧米諸国を訪れると日本は惨めで不幸な国に見えます。アジア人固有の欧米へのあこがれや単なる観光客目線、ないものねだりとばかりも思えません。都市の景観や自然、美術館や博物館、あらゆるデザインの洗練、余裕ある暮らしぶりなど大きな差があります。単に暮らしが豊かということでなく、ストレスや執着なく素で生きられる心の豊かさが日本やアジアの国より勝る印象です。他方ロンドンでは、日本に比べ時間も仕事もルーズな印象を受けますし、土曜日に突然公共交通の地下鉄が営業を休止する感覚は日本人には理解できません。ホテルや飲食店のスタッフも日本の方がよほど勤勉なのに、生産性が低いという事実を突きつけられるとき、何か大きな見落としをしていると思います。身の丈に合わない欧米尺度を採用しながら、日本固有の妙な完璧主義が軋轢を起こしているのでしょう。

  • 【必然を越える旅?】
    産業革命発祥の地イギリスに来て、産業化の意味を考えました。必然を越える純粋な娯楽として旅を商業化したのはイギリスの実業家トーマス・クックです。旅行に伴う移動と出費、時差ボケなどの苦痛や健康リスクを考えたとき、美味しい食事や素晴らしいホテルに泊まり、美しい景色や芸術に触れたとしても、旅の終わりに残るのは虚しさです。批判をしておきながらロンドンを満喫する自己矛盾を考えたとき、旅行には消費と投資の側面があると思います。大半の旅行者にとっての旅には何等かの目的があり、広義の自己投資である一方、そこに投下された資金は回収されることなく消費されます。自分にとって海外旅行に必要なものは、行く必然か人生を変えるほどのインパクトです。

  • 【確認行為のための美術館】
    朝ランニングをしていることもあり、ロンドンに来て6日間で212,647歩、168.6kmほどを自分の足で移動しました。高い物価にさえ目をつぶれば、ロンドンは治安もよく住みやすい街だと思います。広大な美しい公園で犬はリードなしにのびのび走り回り、日本のようにけたたましく吠える犬もいません。大英博物館をはじめとした無料の博物館や美術館はどこも見ごたえがあります。年代ものの絵は触れられる距離に展示され、日本なら行列を作る絵の前で子供は床で思い思いに絵を描き、大人が使える洗練されたカフェもあります。権威に弱い日本人は見たことのある有名な絵の確認行為のために混雑する美術館に行きますが、気軽に芸術に触れる機会は美的感覚や審美眼を育むと思います。

  • 【余裕のあるイギリス人】
    今日はハイドパーク付近で娘のフィールド調査につきあいました。テーマは職場における女性リーダーの状況で、有効と言えるサンプルサイズを満たしていないので、調査自体に大きな意味はないのですが、生の声を聞くことで一定の傾向をつかむことができます。女性リーダーの数が4割程度と答える人が最も多く、これは日本の感覚よりも、世間で言われるイギリスにおける女性活躍の割合よりも高い数字です。一方で回答にばらつきの大きいことが印象的で、少し年配の人は5%と言い、他方でキャリアウーマン的いで立ちの女性は起業家なのか100%と答えます。キャリアに関心がないのか少なくない女性が分からないと答えたのは日本の感覚と同じだと思います。起業家の割合も多く、欧米で30%ほどがインディペンデントコントラクターとされる統計と一致します。相手が高校生のためか大半の人が調査に協力してくれることが驚きです。他人に構う余裕のない日本ならまず相手にされないと思います。

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