新甲子温泉 甲子高原フジヤホテル(しんかしおんせん かしこうげん ふじやほてる)(福島県)

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  • 【好きな未来】
    昨日は「関東三大祭」の一つであり国の重要無形民俗文化財、ユネスコの無形文化遺産に登録される「川越氷川祭」に呼んでいただきました。松平信綱の祭礼用具寄進から今年で370年の節目を迎える祭事には2日間で80万人の人出を数えると言います。こうした機会がないと出不精で祭りに出かけるモチベーションはわきません。集まったのは会社を辞めて事業を始めた人です。共通するのは答えを求めず嗅覚で判断して素早く行動すること、生涯現役を目指していてモナコに家を買うといった手の届きそうな夢を持っていることです。事業を起こせば未来が不確定なかわりに、未来の目標を好きなように設定できます。

  • 【未来こそ生きる原動力】
    経営する㈱甲子高原フジヤホテルの決算期は9月です。前期決算は黒字ながら営業を休止している旅館単体のプロジェクト収支は赤字です。苦労の絶えない旅館を買ったことに後悔がゼロではありませんが、得たものはそれを埋め合わせるのに十分です。旅館を直接営業することで初めて分かることも多く、様々な人たちとの出会いが新しい世界を見せてくれました。そして東京以外の場所に住むことの素晴らしさを知りました。実利的なメリットもあります。50年営業してきた旅館の知名度は、ぼくのように組織的な背景を持たない人間には一定の信用につながります。斜陽産業の代表格である旅館を買ったことに興味を示してもらえることも重要なメリットです。何より最大の魅力は未来を買ったことです。人生の重大決断をさせたのはブナ原生林に囲まれた阿武隈源流の美しさであり、ここで実現したいまだ見ぬ未来こそが今を生きる原動力です。

  • 【仮想空間に生きる】
    米国系コンサルティングファームに転職した20年ほど前、「命がけで働く」と周りが言っていて、最初はドン引きしたものの、ハードワークを厭わない同僚と働くうちに自分でもそんな気になり始めます。サラリーマン時代はどこか仮想空間にいたと思います。長年組織固有の建前で生きていると自分が誰なのか分からなくなります。どこか身構えて、不条理に耐え、誰かの顔色をうかがい、ときに心にもないことを言い、損得を計り、相手を値踏みし、美辞麗句を並べ、お互いの嘘に目をつぶり、本音を隠し、敵を作らず、いつもダブルスタンダードで、思い込みと本心の違いが分からなくなり、こんな姿は自分ではないと思いながら残りの人生がすり減っていく恐怖を避けられない運命とあきらめていました。偽りの自分を演じて生きる辛さは組織を離れて初めて分かります。人生の判断には失うものがあります。第二の人生を始めて失ったものは要らなかったものだと気づきました。

  • 【自己超越的な成長】
    トレイルランニングのレースにデビューしたのは50歳の誕生日を迎えた5年前の夏です。長年運動もせず放置された肥満体は走ることができず、当時小学生だった娘と励ましあいながら15kmのショートコースを一緒にゴールしました。それから5年で多少なりとも走れるようになり、レースでも半分より前に着けるようになりました。エントリーする50kmや60kmのレースなどかわいいもので、友人の多くはマイラーと呼ばれ160km超のレースを不眠不休で走破します。人はなぜ苦しい道を自ら求めるのか考えます。それは苦難の先に自己超越的な成長があるからだと思います。2016年末に旅館を買ったあと営業許可が取れなくて4、5日食事が摂れないほどのストレスに陥りました。恥も外聞もなく人に助けを求め生き残るためにがむしゃらに前に進む場面でこそ人は成長し生きた知識を身につけると思います。自分の判断が正しかったのか今もって分かりません。ただ人生で遣り残したものへの未練が減ったことは確かです。

  • 【論理・左脳教育の限界】
    マーケティングが焦点をあてるべきはベネフィットにあり、顧客理解に長けることだと授業で話します。そして自分の授業のベネフィットは何かをいつも考えます。高等教育が直面する問題は画一的な講義で学生の学習意欲や興味を引き出せないことだと思います。これから社会に出て行く学生に働くこと、学ぶことの魅力を伝え行動変容を起こすことが対面授業の価値です。熱意だけでは十分な効果を生むことができません。自分の授業も含めて論理や左脳偏重の教育が授業を苦役にしていると思います。まず体で感じて、理論はその後です。自分が甲子高原で毎朝やっていたように、早朝の稜線で日の出を拝み、トレイルを駆け下りながら野生の感覚を取り戻し、そこから集中して頭脳労働をする、そんな全身を駆使する画期的な授業体験を実現できないものかと妄想します。

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