新甲子温泉 甲子高原フジヤホテル(しんかしおんせん かしこうげん ふじやほてる)(福島県)

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  • 【好きと欲しいの違い】
    人生は目標を追いかける努力の旅だと思います。以前読んだ本によると良い努力と悪い努力があり、前者は平穏な心でその過程を楽しみ好きになること、後者は目標に執着して欲しがることだと言います。同じような向上心に見えて、好きと欲しいは分かりやすい違いです。自分にとって山で体を鍛えることや今の働き方は好きなことであって欲しいではありません。他方で以前の自分にとっての車や外食、お金や肩書き、権力などは欲しいであって好きではなかったと思います。人生のスピードを落とし、雑音を遮断し、自分の居場所と思える場所に身を置き、本当に必要なものだけがそばにあると自分の本音が見えてきます。

  • 【生存本能は変えられる】
    自称健康オタクの自分は頻繁に健康本を読みます。他方で健康法とされるものはどれ一つとして厳密な意味で実証されたものはなく、健康食品やサプリメントの類は、ネズミにさえ試していません。健康食品が一大産業になる理由はプラシーボ効果だけだと思います。仮に効果があるとしても、摂取によりホルモンバランスを崩したり、体が順応してホルモン分泌をしなくなる危険性の方が問題です。何かが健康に良いとメディアが伝えると翌日には店から商品が消えます。健康を安易に買えると考える日本人の思考停止は健康産業にとって好都合です。健康になる道は実はシンプルだと思います。生活習慣病の主因であり老化を促進する、身体を動かさない安楽な生活、華美な食事、体内時計無視の利便性という現代文明がもたらした生活をやめるだけです。シンプルなのに実行が難しいのは人間の生存本能をしつけなおす方法を多くの人が知らないからだと思います。

  • 【太古の昔から最良の友】
    昨日は川場村から武尊山に登りました。上州武尊山スカイビュートレイルレース129kmの前半のハイライトであるこのルートは手軽に縦走気分が味わえます。予定していた身延山のトレイルレースが中止になり今年のレースシーズンは終わり、気楽なハイキングです。山頂付近の森は積雪が多くすでに冬山の装いです。帰路落葉の敷き詰められたトレイルをラブラドールと走るのはこの季節の特権です。先日読んだ「ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた」によると、現生人類は大型イヌ科動物を3万5千年前には狩猟に利用していたようです。太古の昔からこうして犬と一緒に走っていたことを思うと感慨深いものがあります。ヤギや牛などが家畜化されたのは9千年前とされますが、それよりはるか昔から犬と人は最良の友だったのだと思います。

  • 【ゲームとしてのイリュージョン】
    昨日は人気下降気味のスカイツリーの近くの会社に行きました。ターミナルに向かう通勤電車に乗るのは今やたまのイベントです。30年以上この非人間的な装置に乗ってきたことは正気と思えません。鉄道会社に入社した30年前、誰かが「通勤は格闘技だ」と言いました。人の心を荒ませる通勤光景は今も変わりません。都市の豊かさは意図的に生み出されたゲームとしてのイリュージョンだと思います。誰もが経済成長の恩恵を受けた時代は、その光の眩しさで欲望増殖の罠が見えませんでした。経済の発展を自分の夢と重ねられなくなった人が都市との距離を置き始め、自分もその一人です。都市的な豊かさの夢はうつろいやすく、すぐに次の夢が必要になります。比較対象を増やしながら享楽追及の夢を見続けるとやがて心は蝕まれていくと思います。

  • 【ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた】
    読書は仕事の一部であり、トレイルランニング以外の唯一の趣味です。メモを作らない流し読みも含めれば年間300冊前後の本を読みます。AIの時代になると読書の必要性はますます高まると思います。居ながらにして様々な世界を知ることができ、思考を補強し、何より楽しませてくれます。週末に5、6冊をまとめて読みますが、出張には普段読まない厚めの本を持参します。今週阿蘇に行ったときは「ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた」を読みました。搭乗口で飛行機を待つ間や、離陸後水平飛行に移るまでの時間を読書にあてますが、ネアンデルタール人の絶滅という人類史最大のミステリーに大胆な仮説で迫る本書は短時間で読めます。狼が生きた道具である犬になったのはネアンデルタール人の絶滅以前だったという通説を覆す発見から物語は始まります。最新のゲノム解析は4万5千年以上前の出来事を昨日の事件のように解き明かしていきます。犬を狩猟に使うことで獲物を仕留める時間が57%短縮できるとされ、われわれの祖先はより多くの肉を持ち帰り生き延びることができたようです。

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